NETでは、椅子に座って同じ課題を繰り返し練習するという形ではなく、
自然な遊びや活動の流れの中で、いろいろなスキルを身につけていくことを目指しています。
機軸行動支援法 (PRT: Pivotal Response Training)や要求言語・マンドトレーニングなどで知られているVB (Verbal Behavior) 、フリーオペラント法は、自然な形で行うABA療育の代表的な手法といえます。
・楽しい遊びの場面で実施するため、
子どもの記憶に残りやすい
・日常生活に近い自然な場面で実施するため、汎化されやすい
→覚えたことが習慣化されやすい
・場面を選ばない(机と椅子を用意して、着席してから学習にうつる等の学習場面を設定しなくても実施できる)ため、いつでも実施できる
・遊び場面での実施が中心になるため、
学習には向かない
・手法をマニュアル化しにくく、
方法を統一することが難しい
→(それぞれの子に応じた計画を立てて実施することが必要ともとれますので、メリットともいえます)
では、NETは
実際にはどのようにして使うのでしょうか。
“言葉の獲得“や、それに必要な
“アイコンタクト・共同注意
(大人が指差しした方を見る)”
のトレーニングを中心にみていきますと‥
まずは、
子どもの遊びを大人が一緒に楽しむこと
が大切です。
「〜して」や「これして」などの指示を必要以上に出すと 楽しい場面から外れてしまいますので、必要以上に指示を出さないこと
全力で一緒に遊ぶこと
子どもの遊びを解説すること
(→語彙を増やす)
アイコンタクトができたら褒める
アイコンタクトができたら要求を叶える
(→アイコンタクトを獲得する)
※要求のたびにアイコンタクトを求めてしまうと、大人に要求することが面倒くさくなって、遊ぶこと自体がイヤになる場合がありますので、一度の遊びの中でたくさん実施しない方が良いです。
子どもの声を真似する
(→音声模倣‥声の真似っこに繋がる)
子どもの遊び方を真似する
太鼓を叩いていたら、一緒に叩く真似をする
寝転んで足をバタバタさせていたら、
一緒に寝転んで足をバタバタさせる
(→遊びや行動を共有することで、
一緒に遊ぶ行動の獲得に繋がる)
だんだん楽しくなってくる
(→動作模倣
…動作の真似っこの獲得にも効果あり)
子どもが見ているところを大人が指差す
(→共同注意
…大人が指差す方を見る行動の獲得に効果あり)
子どもの遊びに対して 大人が遊びを追加する
子どもが車を走らせて遊んでいたら、
一緒に走らせる
ブロックを積んでいたら、
横で別の形を作る等
(→遊びの幅が広がる。
相手が提案する遊びを実施することで、 自身が興味のないことにも興味を持ったり、
他者の行動を見る行動が獲得されやすい)
など、遊びの中で獲得できることはたくさんあります。
また、大人と楽しく遊ぶことで、
“他者と一緒に遊ぶこと“
“感情を共有すること“
に対する興味も育ちやすいです。
そうすると何が起こるか。
子どもさんにとって、
「言葉を話す」「言葉で相手に気持ちを伝える」ことのメリットが生まれ、
そのメリットが言葉の獲得にとって最も大切な子どもさん自身の「喋りたい気持ち」に繋がります。
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