【 DTTの大きな特徴 】
1、 着席して課題を行う
2、 タイムライン
DTTの教える順番は文献によって異なりますが タイムライン(手順表)として発表されており、ある程度決まった順番で実施されます。
3、手順
DTTでは行動を教える際に以下の流れで行動を定着させていきます。
①子どもの注意をひく
②指示を出す
③子どもが指示に対して適切に行動する
④好子(ご褒美=褒める、お菓子、身体遊びなど)
好子が子どもにとってのメリットになり、適切な行動が強化されます。
、
【 DTTの長所 】
○どの課題の学習にも使える
DTTでは色々な好子を使って行動を教えるので、様々な課題を対象にすることができます。
例えば…
音声模倣、動作模倣、
語彙力、日常生活動作など
○実施の順番が決まっている
DTTはある程度マニュアル化することができます。
療育の手法は様々ですが、
“実施する人によって 手技のレベルが異なること”
これが大きな問題だといえます。
子どもたちと関わる全ての人が
同じ知識を持って、
同じ技術を持って接することができれば、
療育の可能性は大きく広がるでしょう。
ということなので、これは大きなメリットかなと思います。
【 DTTの短所 】
○日常生活の変化が乏しい
DTTで最初に進める項目は、発達検査でよくあるような課題の繰り返しになっている部分が多く、ある程度できるようになっても日常生活場面での子どもたちの様子は変化しないことが多いです。
例えば、
見本合わせ(マッチング)の課題を習得したからといって言葉を増やす方向に直接作用する可能性は低く、
子どもたちの日常生活に影響を及ぼすことはあまりありません。
○課題の内容を忘れたり、実用的に使うことが難しい
DTTで扱う課題が日常生活とあまり関係がないことも多く、課題を習得したとしてもそれを使う場面がないため忘れてしまうことがあります。
また、DTTは基本的に大人の指示に従うことで行動を身に付けます。
そのため、自分から要求を出すこと…
例えば「お菓子ちょうだい」「貸して」「抱っこして」等、
自分から意思表示をすること(自発マンド)を教えることが難しい手法です。
自分から意思表示をする意欲が育たないと、課題の中でたくさん言葉を教えても、
「言葉を話す」ことに繋がりにくくなってしまいます。
また、どうしても「課題」感が強くなってしまうことから、子どもたちにとって
楽しい場面ではないことが多く、
楽しくない場面でやらされた事や覚えた事は 多くの場合日常生活で発揮されるまでに時間がかかる
( ← 汎化しにくい)
ことが多いといわれています。
長所と短所はありますが、
DTTがダメな手法かというと そんなことはなく、
長所・短所を踏まえて 発達をすすめたい能力にあわせて 他の方法と組み合わせながら使うことが大事だと思っています。
基本的には‥
① 無理に使用しない
特に、言語獲得が進むまではあまり向いていません。
(この時期の子どもさんは遊びの中で学べることがたくさんあること。
また、遊びの中で学んだことが 定着しやすく、汎化されやすい年代であることから。)
② 着席する練習と課題は分けて実施する
着席させることと課題を実施することを同時にしてしまうと、「着席=嫌なことをさせられる」となってしまい、着席する習慣が定着するまでに時間を要することがあります。
まずは、
着席しながら好きなことをすることで、
「着席=楽しい」イメージをつけることが大切です。
机上での課題でなくても学べることはたくさんありますし、言葉の獲得をしようとする子どもたちにとって大事なことは、
寝そべる子どもを無理矢理 机の前に着席させて勉強させることではなく、
一緒に寝そべって遊んでくれる大人なのではないでしょうか。
、
③ 言葉を話す意欲を身につけるトレーニングは別に行う
DTTは受け身のトレーニング方法なので、自分から他者に働きかける意欲を身につけることが難しい手法です。
DTTは特に就学準備や就学後の学習場面で効果を発揮する手法といえます。